| 時事ネタに「五・七・五」のタイトルをつけてTwistedコメントを書き込んでいこうとはじめたこのコーナー、今月はあきらめかけてたんだけど・・・ | |
| 29日（木） | 夏の午後 カーテンめくる 空き巣かな？ |
| ７月29日（木） |
夏の午後 カーテンめくる 空き巣かな？ 朝の５時ごろ じゃばすくりぷとで遊んでて壁にぶちあたったわしは、テレビをつけて寝っころがり、なにげにＮＨＫニュースを聞いておった。・・・のぢゃが、そのまま眠りこくってしまったようぢゃ。テレビも扇風機もつけたまま。 午後２時ごろ 目が覚める。テレビは雨で中断された高校野球静岡県大会の試合が間もなく再開されるであろう場面を映しておった。高校野球にはまるで興味を持たないわしは、おもむろにリモコンに手をのばし、テレビのチャンネルを換える。 午後２時半ごろ どうでもいい芸能ネタを見ながら、お目覚め時の日課としてウ◯コ座りで腰をのばしておったわしはふと、ソヤツの気配を感じ、テレビに向けていた視線を頭ごと90度左に向けた。 視線の先80cmには月曜日に洗濯して干したままになってるタオルケットがぶら下がっており、その向こう１mにはカーテンがぶらさがり、さらにその向こう30cmにはサッシの窓が突き出しておる。網戸がはまっておるサッシの右側は３分の１程開けてあり、カーテンもそれにみあう分程開けてある。網戸のないサッシの左側は閉めてあり、カーテンの左側はろくに弾きもしない電気ギターを立て掛けて押さえてある。 「ズリズリズリズリズリ・・・・・」 ここ３年、開かずの窓となっておるサッシの左側がゆっくりと開いてゆくかすかな音のようである。 （？・？・？・？・・・） わしには、窓からコンニチワするような近所付き合いもなければ、それに類する知り合いもおらぬ。 （どっかのワルガキぢゃろうか？） （いやいや、いくら１階とわゆっても、分別のつかぬガキごときに手の届く高さでわないゾ） （こ、これわ、もしかして、アブナイ状況なのではないのか？） と、固まるわし。 「・・・・・・・・・・」 音もなく、カーテンの左端がゆっくりと、しかし確実に、50cmほどめくられてゆく。 ずっと日陰ものの電気ギターが外の光に照らし出される。 （・・・・・・・・・・） 息をも殺して、身動きひとつせず、固まり続ける小心者のわし。 幸か不幸か、窓の外にいるはずのソヤツの姿は、ぶら下がったタオルケットにさえぎられたわしの視線には入ってこない。 ソヤツは、窓の外からわしの部屋の中をうかがっているのであろうか？ ５秒程たったのか、15秒程たったのか・・・、めくられたカーテンはまた静かに垂れ下がった。 （ま、まだそこにおるのか？ ・・・ も、もうお引き取りになったのか？ ・・・） さらに１分ぐらいであろうか、わしは息を殺したまま固まり続けた。 それから静かに大きく息を吹いて、そ〜っと四つん這いになって窓べりに近付く。ゆ〜っくりと首をのばして窓の外をうかがう。 わしの部屋には金目のものが無いと判断したのか、それとも、パンツいっちょでウ◯コ座りするわしのキュートなヒップに気が付いたのか、ソヤツは来たときと同じように、音も無く去っていったようぢゃ。 （こ、これわ、ケイサツに連絡したほうがよいのぢゃろうか？） ドキドキを静めようとつとめながらも考えた。が、実際に被害にあったわけでもなく、ソヤツの顔を拝んだわけでもなく、その程度のおハナシでケイサツが真剣に動くとわ思えない。それに、万一事情聴取に来られたら、じきに始まる『リング・最終章（再）』が見れなくなるぢゃないか。 と、ゆうわけで、この一件はわしの薄い胸にそっとしまっておくことにする。 （もよりのスーパーに買い物に行くだけでも、ちゃんと戸締まりしたほうがよさそうぢゃのぉ） １ヶ月前にクルマで出掛けたとき以来、窓を閉めた記憶の無い自分をかえりみる。 いったんは落ち着きを取り戻していたのに、カーテンの左端を押さえていたハズの電気ギターのさおの部分が、カーテンに隠れておるのに気が付いて、ちょっとだけ涼しくなった、暑い夏の日の午後の静かなできごとであった。 |